試験管の口を下げておかないと,試験管が割れるなどの危険性があるからです。
これはアンモニアを集める手段として口を下に向けるのではありません。
アンモニアは空気より軽く,水に溶けやすいので,集め方は「上方置換法」で行いますが,上方置換するときに試験管の口を下に向ける必要があるのではないのです。
アンモニアを実験室で生成するには,塩化アンモニウムに水酸化カルシウムを加えて加熱します。
すると,アンモニアと同時に,塩化カルシウムという物質と「水」が生じます。
「水」は水蒸気の状態で生じますが,試験管内ですぐに冷やされ液体の水になります。
熱くなった試験管が「水」で急冷されて,割れて破片が飛び散るおそれがあるのです。
したがって,アンモニアの発生の実験では,試験管の口を下げて,液体の水が口元にたまるようにしておくのです。