電力量と電流による発熱量は,計算式は同じですが,電力量は消費した電力の量,電流による発熱量は発生した熱の量を求めるときに使います。
■電力量
電力量[J]は,電気器具を使ったときに消費した「電力の量」のことです。「1Wの電力を1秒間使用したときに消費する電力の量」を基準に表すので,次の式で計算します。
電力量[J]= 電力[W]× 時間[s]
[例]
・30Wの電球を200秒間つけたときに消費した電力量
→ 30[W]×200[s]= 6000[J]
・600Wのトースターを10秒間使ったときに消費した電力量
→ 600[W]×10[s]= 6000[J]
このように,消費した電力量が同じでも,電気器具によって利用のされ方が違います。
■電流による発熱量
電流による発熱量[J]は,電熱線や電気器具を使ったときに発生する「熱の量」のことです。「1Wの電力を1秒間使用したときに発生する熱量」を基準に表すので,次の式で計算します。
電流による発熱量[J]= 電力[W]× 時間[s]
[例]
・600Wの電気ポットを10秒間使用したときに発生する発熱量
→ 600[W]×10[s]= 6000[J]
このように,電流による発熱量を求める式は,電力量と同じになります。
電熱線や電気器具から発生する熱量も,そのおおもとは電熱線や電気器具で消費される電気エネルギー,つまり電力量です。ですから,消費した電力量と,電流によって発生した熱量は同じ値になるのです。