整流子は,ブラシとの組み合わせによって,半回転ごとにコイルの電流の向きを変えられます。これにより,コイルをずっと同じ向きに回転させることができます。
下図を参考にしましょう。
①→②:コイルに電流を流すと,D→C→B→Aの方向に電流が流れ,ABは下側,CDは上側の力を受け,コイル全体は左回りに動きます。
③-2:整流子とブラシがないと,電流の向きはD→C→B→Aのままで,ABは下側,CDが上側の力を受け,逆回転(右回り)してしまいます。
③-1:ここで,整流子に活躍してもらいましょう。整流子とブラシの組み合わせにより電流の向きがA→B→C→Dとなると,AB側は上側,CD側は下側の力を受けコイル全体は左周りに動き,④→①の回転が続きます。
これによって,コイルは左回りに回転し続けられるのです。
ブラシの電極の向きは変化しませんが,整流子が半回転ごとに途切れながら接触するため(ブラシと整流子が固定されて接着しているのではありません),電流の向きが変化し,コイルが同じ向きに回転し続けることを理解しておきましょう。