全反射は,光が物質の境界面で,すべて反射されてしまう現象で,水中(またはガラス中)から空気中へ光が進むときに起こります。
これまで,光が種類の違う物質に斜めに入ると,屈折すると学習しました。しかし,入射角がある角度を超えると,光は屈折せず全反射し,鏡のような現象が起こるのです。
下図を見てみましょう。
①水中から空気中に角度をもって入った光は,入射角<屈折角の原理で屈折します。
②さらに入射角を大きくすると,屈折した光は空気中に出られず,すべて反射して水中にもどります。この現象を「全反射」といい,入射角=反射角が成り立ちます。
図のような角度から水中の金魚を見た場合,金魚からの入射角が大きいため,光は水面で全反射し,目に届きます。そのため,目に届いた反射光を延長した位置に金魚の像が見えます。
水槽の水面の近くにいる金魚を斜め下から見ると,水面に全反射した金魚の像が見えます。