口の中に食べ物を入れるとだ液が出るのは,からだのはたらきを調節する「反射」です。
「反射」は刺激に対して無意識に起こる反応です。
「反射」では,直接脊髄(せきずい)などから命令が出るので反応までの時間が短く,危険からとっさに身を守るときや,からだのはたらきを調節するときなどに役立ちます。
口の中に食べ物を入れるとだ液が出るのは,からだのはたらきを調節する「反射」です。
そのほか,体温が上がると汗が出る,暗いところでは目のひとみが広がるなども「反射」です。
これに対して,おいしそうなにおいをかぐ,好きな食べ物を見るなどによってだ液が出るのは,おいしいという「経験」がもとになっています。梅干しを見るとだ液が出るのは,すっぱいという「経験」がもとになっています。梅干しを食べたことがなくすっぱいと知らない人は,梅干しを見てもだ液は出てきません。
これらの反応は,無意識に起こるという意味では「反射」に似ていますが,「生まれつき」備わったものではなく「経験」がもとになっており,大脳のはたらきが必要となります。このような反応は「条件反射」と呼ばれていて,反射とは区別します。