岩石が「何かにけずられる」のが『侵食』,もろくなって「自分からくずれていく」のが『風化』と考えましょう。
■ 侵食
流水による侵食とは,海の水や川の流れが海辺や川辺の陸地をけずる現象のことです。流水の力でけずられ,地形自体が変わってしまうこともあります。
流水などの物理的な力によって陸地などを「けずる」のが『侵食』です。
■ 風化
陸上にある岩石がもろくなり,表面からくずれていく現象のことです。
原因としては,次のようなものが考えられます。
・気温の変化により岩石が伸び縮みをくりかえすうちにひびが入り,そこに水分が入って凍ったり,植物の根が入りこむことにより割れる。
・日光(紫外線)により岩石の成分が変質する。
・雨に含まれる酸などの成分により岩石の一部がとける。
直接何かにけずられるのではなく,岩石の表面の様子・性質が変わり,もろくなって「くずれていく」のが『風化』です。
※ 風によって岩石の一部が吹き飛ばされたり,また,風に運ばれてきた砂などがぶつかって岩石がけずられたりする現象は,厳密には風化ではなく「風による侵食」です。
風化によりもろくなった岩石が風によって侵食されるのです。
このように,流水だけではなく,雨・氷河・風などによる侵食もあります。