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  • 公開日時 : 2017/01/20 00:00
  • 更新日時 : 2021/10/11 13:25
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【理科】飽和と溶解度の違い

溶解度の説明で「一定量の水にとける物質の質量の限界の量のこと」とありましたが,それは飽和とどう違うのですか?
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回答

溶解度とは,ある温度で一定量の水にとかすことのできる物質の限界の質量で,物質の種類によって決まっています。
限界の量までとかしたときの状態のことを「飽和(状態)」といいます。
 
[溶解度]…ふつうは100gの水にとける物質の限界の質量
溶解度に達している水溶液にさらに物質を入れても,とけずに下にたまります。
食塩水の水分を蒸発させると,食塩の結晶が現れます。
これは,水が蒸発し,水の量が少なくなったために,溶解度を超えた分の食塩が,とけていることができなくなり,固体の物質として現れたためです。
溶解度が,水の温度によって大きく変化する物質もあります。
たとえばミョウバンは,100gの水の温度が20℃のときは,約10gまでとけますが,60℃のときには約60gまでとけるようになります。
 
[飽和]…最大の限度までいっぱいになっている状態
飽和は,理科だけではなく,一般的な言葉としても使われます。
飽和状態というと,もうすでにいっぱいに満たされている状態のことを表します。
「飽和水溶液」は,最大の限度いっぱいまで(=溶解度まで)物質がとけている水溶液という意味になります。
水に物質をどんどんとかしていき,それ以上とけなくなったときが飽和になっています。
飽和になっていない水溶液が,水が蒸発することで,飽和になってしまうことがあります。
また,溶解度は水の温度によって変化するので,水の温度が下がることで,飽和になってしまうこともあります。