消化酵素は,それ自体は変化することなく栄養分を分解することができるので,半永久的にはたらき 続けることができそうですが,実際にははたらきが失われていきます。
消化酵素のはたらきが失われるのは,次のような理由のためです。
・食物といっしょにからだの中を移動するため
例えば,だ液に含まれる消化酵素は,口の中で消化を助けます。
しばらくすると,食物は飲み込まれ,胃→小腸→大腸へと送られ,やがてはからだの外へ排出されます。
・消化酵素はタンパク質でできているため
消化酵素は,わたしたちのからだの中でつくられています。おもな成分は,タンパク質です。
タンパク質は,熱に弱く,温度が高くなると変質してしまいます。
消化酵素の場合は,変質することで消化する能力を失ってしまいます。
また,酸やアルカリ,塩分の濃度などによっても変質し,消化する能力を失ってしまいます。
「消化酵素は養分を分解するが,消化酵素自身は変化しない」というのは, デンプンはだ液によって消化され糖になるが,だ液自体はデンプンを消化するだけで,ほかの物質になることはない ということを表しています。