シべリア出兵が発表されると,米商人は,あとで大量の米が高く売れると予想して米を買い占めました。
そのために,米が不足して値上がりし,米騒動が起きました。
■シベリア出兵の発表
「シベリア」とは,ロシアでウラル山脈よりも東側の地域のことです。「シベリア出兵」とは,1918~22年にかけて,日本,アメリカ,イギリス,イタリアなどが,シベリアに軍隊を送ったできごとです。
1917年にロシア革命が起こり,社会主義政権が成立しました。これが後のソビエト社会主義共和国連邦(ソ連)です。
日本,アメリカ,イギリス,イタリアなどは資本主義の国で,これらの国の指導者たちは社会主義を危険なものと考え,社会主義の考え方が世界に広がると困ると思いました。
さらに,日本は満州(中国の東北部)や朝鮮半島に進出していたので,社会主義がこれらの地域に広がることを恐れました。そこで,日本は,アメリカなどとともにシベリアに出兵すると発表したのです。
↓
■米商人が米を買い占める
シベリア出兵で,たくさんの兵士がシベリアに派遣されれば,たくさんの食料が必要になります。日本人の主食は米ですから,日本から米を持っていかなければなりません。
そうなると,シベリア出兵の前には,食料になる米を政府が大量に買い集めることになります。そのときに,自分がたくさんの米を持っていれば,政府に高い値段で大量の米を売ることができるはずです。
このように予想した米商人は,あとでもっと高く売るために,今ある米を買い占め,売るのをやめてしまいました。
↓
■米騒動が起きる
米商人が米をためこんであまり売らなくなってしまったので,出回る米の量が減り,米の値段はどんどん高くなっていきました。人々は米が買えなくなり大変困りました。
1918年7月,富山県の漁村の主婦たちが米屋におしかけて安売りを要求しました。これをきっかけにして,各地で群衆が米商人や大商人などをおそって騒動を起こしました。これが「米騒動」です。