関税とは,「輸入品にかけられる税金」のことです。
おもな内容は,次のとおりです。
■関税の税率
関税は,輸入品の種類ごとに細かく税率が定められています。
[日本の税率の例]
・米…1kgあたり402円
・牛肉…50%
・じゅうたん…9.6%
・花火…4.8%
など (2012年4月現在)
■関税の機能
【1.国内産業保護機能】
国内産業を守るために,輸入品に高い税率の関税をかけて価格を引き上げることによって,国産商品を保護しようとする機能のこと。
[例]
上に挙げた外国の「米」の場合,1kgあたり402円と高い関税がかけられています。
これは米5kgなら「関税2010円+米自体の価格」となり,国内産の米と比べて非常に高額となります。
つまり,外国の米は高額のため国内では売れにくいので,国内産の米が保護されることになります。
また,米の関税が高率なのには「米は主食なので,国内での自給を守る」という背景があります。
この国内産業保護機能は,関税の重要な機能となっています。
【2.財政機能】
関税をかけることによって,国に財政収入をもたらすという機能のこと。
ただし,先進国では経済が非常に発達し,関税よりも経済活動などによる収入がおもな財源となっているため,この機能の果たす役割は非常に小さいといえます。
■関税の徴収
関税は「国税(こくぜい)」ですので,関税をかけた国が徴収して,その国の収入とします。
日本では,「税関(ぜいかん)」が関税を徴収します。
【ワンポイントアドバイス】
最近は,加盟国間で関税などをなくして自由な経済活動を実現しようとするFTA(自由貿易協定)を2国間や地域間で結ぶ動きが広まっています。