価格変動の理由はさまざまなものがあります。
もともと,ものの価格というのは,買いたい人(需要)と売りたい人(供給)の量によって変動します。買いたい人が多いのに売りたい人が少なければ(売るものが少なければ),価格は上がります。
これに加えて,気象条件や景気,国際情勢などが価格変動に影響を与えています。
■気象条件
とくに農産物の価格に影響があります。多雨や干ばつ,台風などの影響で不作になったり豊作になったりすることで,市場に流通する量が減ったり増えたりするために,価格が変動します。
■景気
その商品を輸入する国の景気がよければ,買いたい人(需要)が増えて価格が上がります。逆に景気が悪くなると,価格は下がります。とくにコーヒーやカカオ豆,貴金属などの嗜好品(しこうひん:生活必需品でなく,趣味とされるもの)は,輸入する国の景気の影響を受けやすいといわれています。
■国際情勢
たとえば中東などで戦争が起こると,原油産出国が当事国となって原油の産出・輸出ができなくなるため全体の供給量が減って,原油の価格が上がります。このように国際情勢によって,需要と供給のバランスが崩れて価格が変動することもあります。
■そのほか
鉱産資源などは,埋蔵量に限りがあるため,産出国で生産量を制限することがあります。そのために産出量(=供給量)が増えたり減ったりして,価格が変動します。
また,その鉱産資源に代わる新しい材料などが開発されて,その資源の価値が下がって価格が下がることもあります。
さらに,為替の値動きなどによっても,価格は変動します。