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  • 公開日時 : 2017/01/20 00:00
  • 更新日時 : 2021/10/07 16:12
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【社会】普通選挙法と治安維持法の同時成立の理由

この2つの法律が同時に出されたことがポイントと書いてありました。どういう関係があるのですか?
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回答

2つの法律は,アメ(普通選挙法)とムチ(治安維持法)の関係にたとえられています。
 
■アメ(普通選挙法)…大正デモクラシーのなかで求められていた「普通選挙」を実現させました。
 ↑
 ↓
■ムチ(治安維持法)…社会主義運動(とくに共産主義運動)を厳しく取り締まり,自由な発言ができないようにしました。
 
【普通選挙法(1925年)の成立】
[背景]
民主主義を実現していく世界各国の影響を受けて,日本でも大正デモクラシーのなかで,財産や身分などの制限のない普通選挙を求める動きが高まっていきました。
そうしたなかで,普通選挙の実現を主張する政党が世論の支持を受けて連立内閣を組織しました。
[法律の内容]
25歳以上のすべての男子に選挙権を認める。
[結果]
有権者の割合が全体の約20%となり,有権者の数も,それまでと比べて約4倍に増加しました。
 
【治安維持法(1925年)の成立】
[背景]
当時の政府は,
・普通選挙によって,労働者や社会(共産)主義者の力が大きくなり,社会運動が激しくなること
・日ソ国交が樹立したことで,ソ連から社会(共産)主義思想の影響が大きくなり,政権や国のしくみが変えられてしまうことを,非常に警戒していました。
そこで社会(共産)主義運動などを取り締まるために,普通選挙法が成立する直前に治安維持法を成立させました。
[法律の内容]
天皇を中心とする国家体制を変革しようとしたり,私有財産制を否定するすべての政治活動を禁止しました。
[結果]  
初めての普通選挙(1928年)で,労働者や農民の政党から8人が当選しました。
それに危機感をもった政府は,治安維持法の罰則の最高刑を死刑にまで引き上げました。
その後,社会(共産)主義ばかりではなく,反政府思想・反政府運動までもが,すべて治安維持法の対象となりました。

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