国司(こくし)と郡司(ぐんじ)は,ともに飛鳥時代以降の律令制のもとで「地方」に置かれた役人です。
「国司は中央から派遣された貴族」が,「郡司は地方の有力な豪族」が任じられた,という点が大きく違い ます。
■国司
律令制のもとで中央集権国家のしくみのひとつとして,中央から地方へと「国司」が置かれました。
国司には中央から派遣された貴族が任じられ,任じられた国の行政・財政・司法・軍事全般を行いました。
具体的な仕事内容は,戸籍(こせき)の作成や班田(はんでん)の収授(しゅうじゅ),税の徴収(ちょ うしゅう),兵士の召集(しょうしゅう),裁判などでした。
■郡司
「郡司」は国司のもとに置かれ,その郡の行政全般を実質的に行いました。
そのため郡司は,その郡の有力な豪族が任じられました。
具体的な仕事内容は,任じられた郡の行政,税の取り立て,軽い刑罰の執行(しっこう)などでした。