相同器官は,進化して形やはたらきは違うが,もともとは同じ器官であったと考えられるものです。
相似器官は,もともとは別の器官であったが,形やはたらきが同じ器官です。
動物は,魚類→両生類→ハチュウ類→ホニュウ類・鳥類 と進化して,からだの形やつくりが変化してきたと考えられています。
両生類,ハチュウ類,ホニュウ類,鳥類には,魚類のからだのつくりと似ている部分が多く残っています。
■相同器官 … もとは「同」じ
進化して形やはたらきは変わってしまったけれども,もともとは同じ器官であったと考えられる器官。
ヒトの手,イヌの前足,クジラのむなびれ,コウモリのつばさは,どれももともとは魚類のむなびれが 進化したものと考えられています。
両生類,ハチュウ類,ホニュウ類,鳥類の肺は,魚類の浮きぶくろが進化したものと考えられています。
■相似器官 … 「似」ているけれど,もとは違うもの
相同器官と違って,もともとは別の器官であったが,進化したあと,形やはたらきが似ている器官。
昆虫のはねと鳥のつばさは,どちらも飛ぶための器官ですが, 昆虫のはねは,皮膚が変形したもの,鳥類のつばさは,ホニュウ類の前あしにあたるものです。
■痕跡器官
相同器官の中で,進化した後ではそのはたらきはしなくなり,同じものがあったというあと(痕跡)だけとなっているもの。
ヒトの虫垂(盲腸)や尾骨(尾てい骨),耳を動かす筋肉,クジラやヘビの後ろあしなど。