十字軍は約200年間で7回遠征しましたが,聖地エルサレムを奪い返すことはできず,失敗に終わりました。
■十字軍遠征のきっかけ
イスラム教のセルジューク朝が,11世紀の後半にキリスト教の聖地エルサレム(当時はキリスト教のビザンツ帝国の領土でした)を占領しました。
さらに,セルジューク朝がシリア,小アジアを占領し,東西交通の要所であったコンスタンティノープル(ビザンツ帝国の首都)にも危険がおよびました。
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そこで,ビザンツ帝国はローマ教皇[=キリスト教カトリックの最高位の聖職者]に助けを求めます。
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それに応じたローマ教皇が,西ヨーロッパのキリスト教諸国に対して,ビザンツ帝国を救援し,聖地エルサレムを奪い返そうと,十字軍の遠征を呼びかけました。
そして,1096年から大規模な十字軍の遠征が始まったのです。
■十字軍遠征の経過と結果
十字軍は,1096~1270年までの約200年の間に7回遠征しました。
戦う相手はセルジューク朝からさまざまに変わっていきましたが,結局,エルサレムを奪い返すことはできませんでした。
■十字軍遠征の影響
十字軍遠征に失敗したことで,ローマ教皇や教会の権威がおとろえましたが,ヨーロッパはイスラム文化やビザンツ文化の影響を受けました。
たとえば,コショウなどの香辛料,絹織物,医学や数学などの学問がヨーロッパにもたらされました。