「朝廷」は,天皇や貴族が政治を行う場所やしくみのことです。
「幕府」は,武士が政治を行う場所やしくみのことです。
■朝廷
古代の日本では,天皇を中心にして政治を行うしくみができました。
天皇が政治を行う場所や,天皇を中心として皇族や貴族が政治を行うしくみを「朝廷」といいます。
朝廷による政治は,奈良時代,平安時代と続きました。
■幕府
平安時代の後期になると武士が勢力を伸ばし,やがて,武士が政権を握ります。
政治の担(にな)い手が武士になると,武士のリーダーである将軍を中心にして国を治めるしくみができました。
将軍が政治を行う場所や,将軍を中心として武士が政治を行うしくみを「幕府」といいます。
幕府による政治は,鎌倉時代から江戸時代まで,鎌倉幕府,室町幕府,江戸幕府と続いていきました。
■朝廷と幕府の関係
天皇を中心とする政治のしくみができてからは,朝廷による政治が続いていました。
鎌倉幕府ができてからは政治の実権は幕府に移り,幕府による政治は江戸幕府が倒れるまで続きました。
ただ,幕府の政治が続いている間も,天皇を中心とする朝廷の勢力がなくなったわけではありません。
鎌倉時代には,後鳥羽上皇が政権を朝廷に取り戻そうとして「承久の乱」を起こしましたが失敗しました。
鎌倉幕府が倒れると,後醍醐天皇が「建武の新政」を行って天皇中心の政治にしようとしましたが, これも2年ほどで失敗してしまいます。
その後も天皇を中心とする朝廷は続いていきましたが,政治の実権は幕府が握っていました。