「財政投融資」とは,公共性の高い事業に対して,政府が国のお金を出したり貸したりすることです。
[財政投融資とは何か]
「投資」とはお金を出すこと,「融資」とはお金を貸すことです。
「投融資」というと,お金を出したり貸したりすることになります。
「財政投融資」というのは,政府が国のお金を出したり貸したりすることです。
「国のお金」といっても,この場合は税金ではありません。特別な国債を発行して集めた公的な資金などが使われます。
政府は,道路をつくるとか大規模な地域開発をするとか,たくさんの人の役に立つ,公共性の高い仕事をしようとする公的な機関(政府の関係する機関や地方公共団体など)に,この資金からお金を出したり貸したりします。中小企業を援助するのに使われることもあります。
これが「財政投融資」です。
財政投融資は,国が銀行のようにお金を出したり貸したりするものですから,貸したお金は後で利子をつけて返してもらいます。
[財政投融資をするのはなぜか]
■民間の銀行からお金を借りにくいところにお金を出す
大規模なプロジェクトを始める資金を借りようとしたり,中小企業が仕事を続けるために長期間にわたってお金を借りようと思っても,民間の銀行は,なかなかお金を貸してくれないことがあります。そのプロジェクトが失敗したり,中小企業があまり利益をあげられなかったりすると,貸したお金を返してもらえなくなるかもしれないからです。
しかし,それでは新しいプロジェクトは始められないし,中小企業は仕事を続けることができなくなってしまいます。そこで,政府は,このような場合に財政投融資のひとつとして,資金を貸し付けることがあります。
■国民の生活に関連の深い事業を支援する
道路の整備のような,国民の生活と深い関わりのある事業を,お金を出すことによって支援しています。
■景気を調整する
日本のような資本主義経済の国では,景気の変動が起こり,好景気が過熱してインフレーションになったり,不景気が進行してデフレーションになったりします。
このような場合,政府は景気を調整するためにいろいろな政策をとります。
そのひとつが財政投融資で,不景気が続くときには投融資の量を増やして経済を活発にし,景気がよくなるように誘導したりします。