栽培漁業と養殖漁業の大きな違いは,育てた魚などを自然界に戻すかどうか(海などに放流するかどうか)です。
・栽培漁業
生存率が低い卵や稚魚の間だけ人工のいけすや池で育てて,その後いったん自然界に放流し,自然の海や池で大きく育ったものを漁獲して出荷します。
栽培漁業では,育てた人と,売る人は同じとは限りません。漁獲した人が売る人です。
栽培漁業では稚魚を育てることを種苗(しゅびょう)づくりといいます。将来たくさんの大きな魚をとるための種苗(卵・稚魚)を栽培するから栽培漁業といいます。
日本では,マダイ,サザエ,ヒラメなどで栽培漁業が行われています。
・養殖漁業
卵などから大きく育って出荷するまでのすべての期間,人工のいけすや池で魚介類や海草を育てる漁業です。つまり,育てた人が売る人です。
大きくなって出荷するまでずっと養うので養殖漁業といいます。
日本では,カキやホタテなどの貝類,ハマチ,のりなどが養殖されています。