同じ言葉でも,使い方によって品詞が変わる場合があります。
■用言と体言
「用言」は,それだけで述語になる単語で,動詞・形容詞・形容動詞のことを指します。
「体言」は,「が」「は」などをつけて主語になれる単語で,名詞のことを指します。
■品詞の違い
文中での使い方によって,品詞が異なる言葉もあるため,注意が必要です。
[例]1.背が「伸び」る。
2.猫が「伸び」をする。
1の「伸び」
伸びナイ・伸びるトキ・伸びれバ…と活用する動詞「伸びる」の一部です。文中でも,文末で述語の役割を果たしている用言です。「伸びる」の語幹は「の」で,活用語尾が「びる」です。「伸びない」の場合は,「の」が語幹,「び」が活用語尾,「ない」が後に続く語(助動詞)です。
2の「伸び」
文中で活用しておらず,「伸びはリラックスに役立つ。」のように「~は・~が」と言い換えて主語になることができるため,名詞(体言)と判別できます。
使い方によって品詞の異なる語は,ほかにも以下のようなものがあります。
・健康が第一だ。
(「~が」として主語になっている→名詞「健康」)
・兄は健康だ。
(健康でナイ・健康なトキ…と活用できる・述語→形容動詞「健康だ」)
・父は遊びの天才だ。
(「遊びがうまい」などと主語にできる→名詞「遊び」)
・もっと遊びたい。
(遊ばナイ・遊べバ…などと活用できる・述語→動詞「遊ぶ」連用形+助動詞「たい」)
用言の活用形やおもな続き方を確かめ,見分けるときに役立てましょう。