補助の関係とは,後の文節が前の文節に補助的な意味を添えるもののことを言います。
A 犬を飼う。
B 犬を飼ってみる。
Aの文とBの文を比べてみたとき,Bのほうには「試しに飼う」という意味が添えられていることがわかります。「みる」という語には本来「見る」という意味がありますが,Bではその本来の意味が薄れ,「試しに~する」という意味を「飼って」に添えています。このとき「飼って」と「みる」は補助の関係であるといいます。
「みる」以外にも,補助の関係をつくることができる動詞(補助動詞と呼ぶことがあります)として,以下のようなものがあります。
「あげる」…勉強を【教えて・あげる】
「くれる」…にっこりと【笑って・くれる】
「いる」…病気が【悪化して・いる】
「おく」…ちょっと【ほうって・おく】
「ある」…そこに【置いて・ある】
補助動詞であるかどうか(補助の関係であるかどうか)を見分ける方法としては,ほかの表現や英語に置き換えて考えるという方法があります。
[ほかの表現に置き換えて考える例]
(1)そこに置いてある。
(2)欲しいものがいっぱいある。
→(2)の「ある」は「存在する」と置き換えられますが,(1)は本来の意味が薄れているため置き換えることができません。(1)が補助の関係です。
[英語に置き換えて考える例]
(3)勉強を教えてあげる。
(4)プレゼントをあげる。
→(4)の「あげる」は「give」の意味がありますが,(3)は本来の意味が薄れているので「give」ではありません。(3)が補助の関係です。