• No : 534
  • 公開日時 : 2017/01/20 00:00
  • 更新日時 : 2021/10/07 16:13
  • 印刷

【社会】立憲制の国家とは

立憲制の国家って何ですか? 日本はどのようにして立憲制の国家になったのですか?
カテゴリー : 

回答

立憲制の国家とは,憲法を制定し,憲法にもとづいて議会で政治を行う国家のことです。
 
■日本が立憲制の国家になるまで
明治新政府の政治の基本方針である,五箇条の御誓文が出されました。(1868年)
世論を大切にして政治を進めることなどが明らかにされていましたが,実際の明治新政府は,旧薩摩藩や旧長州藩などの出身者が政治を独占していました。
この政治を不満として,1874年に板垣退助らが民撰議院設立の建白書を提出し,これをきっかけに国民の政治参加を求めて,国会の開設などを要求する自由民権運動が始まりました。
1881年,政府が国会開設を約束(国会開設の勅諭)すると,国会開設にそなえて,政党が結成されました。
国会開設をひかえて政府は,1882年から1883年にかけて伊藤博文をヨーロッパへ派遣し,ヨーロッパの国々の憲法を調べさせました。
そのなかで,君主の権力が強いドイツ(プロイセン)の憲法を手本に憲法の草案がつくられました。
1885年,国会開設にそなえ内閣制度がつくられ,伊藤博文が初代の内閣総理大臣になりました。
1889年,天皇が国民に与えるという形で,大日本帝国憲法が発布されました。
天皇が国の最高権力者であるとされ,国民の権利は法律の範囲内で認められました。
 
憲法が制定され,第一回衆議院議員総選挙(有権者は,直接国税を15円以上納めている満25歳以上の男子に限られた)が行われました。
制限はありましたが,選挙で選ばれた人が帝国議会に参加できるようになりました。(1890年)
※大日本帝国憲法は東アジアで最初に制定された憲法で,これによって日本は憲法にもとづいて議会で政治を行う近代的な立憲制の国家となりました。