イギリスは「19世紀」の世界の工場,中国は「21世紀」の世界の工場と呼ばれているからです。
■「19世紀」の世界の工場 ―イギリス―
世界で最初に産業革命が起きたイギリスは,19世紀になると世界最大の先進工業国となりました。
世界中から原材料を輸入して,良質・安価な工業製品を大量生産して,それを世界中に輸出するようになりました。
イギリスだけで,世界の工業生産額の半分を占めていたことから,19世紀における「世界の工場」と呼ばれました。
■「21世紀」の世界の工場 ―中国―
中国は,1980年ごろから経済開放政策を進めてきました。
積極的に外国の企業・工場の進出を受け入れることで,資本や新しい技術を取り入れました。一方,外国の企業も,安くて豊富な労働力・広大な用地などを求めて,中国に次々と進出しました。
さらに,中国には工業の原料となる鉱産資源も豊富にあるため,多くの工業製品を輸出する工業大国となりました。
とくに鉄鋼・機械・化学・繊維などの工業製品が,世界一の生産高になったことから,21世紀における「世界の工場」と呼ばれています。
【ワンポイント】
「20世紀」の世界の工場と呼ばれていたのは,アメリカ合衆国(アメリカ合衆国と日本という説もあります)でした。
アメリカ合衆国は,19世紀末には世界最大の先進工業国となり,20世紀半ばには世界の総生産の半分以上を占めていました。