石油危機(オイルショック・石油ショックと呼ばれることもあります)とは,石油を産出する国(サウジアラビア・イランなど)が,「石油価格の大幅な引き上げ」「石油生産の削減」「石油の輸出制限」などを行うことによって生じる,世界的な経済的混乱のことです。
1973年の石油危機について見ていきましょう。
■背景
1973年に第4次中東戦争[イスラエル(西側諸国が支持)VS エジプト・シリア(中近東諸国が支持)]が 始まりました。
■原因
中近東の産油国は,イスラエルを支持する西側諸国に対する戦略として,
・石油価格の大幅な引き上げ
・石油生産の削減
・石油の輸出制限 など
を行いました。
■結果
世界各国で石油が不足して,石油の値段が急激に上昇しました。
とくに石油の大半を輸入に頼っていた日本では,その影響は非常に大きいものでした。
・政府:一般企業に対しては石油・電力などの資源節約を要請し,国民に対しても節約を勧めました。
・企業:一部の企業では,原材料の買い占め,売り惜しみ,便乗値上げなどを行って,さらなる物価の 上昇を招く現象も現れました。
・国民:「狂乱物価」といわれるほどの物価の上昇に,国民の間にパニックが起きました。 トイレットペーパー,洗剤,砂糖などを買いだめしようと,スーパーマーケットに人々が殺到し,けが人も出るなどの騒ぎが起こりました。
この石油危機によって,日本の経済活動が衰えて,1950年代中ごろから続いていた「高度経済成長」は 終わりました。