関係代名詞の前の名詞「先行詞」につく冠詞は,基本的には,先行詞が
「多数ある中の1つ/1人」のときはa,「唯一のもの/人」であるときはtheになります。さらに,「多数ある中の1つ/1人」であっても,話し手と聞き手の間で「特定できる」ときはtheになります。
先行詞にaかtheのどちらがつくのかは,2つのステップで判断しましょう。
■ステップ1:先行詞が「多数ある中の1つ/1人」か「唯一のもの/人」であるか?
「多数ある中の1つ/1人」→ a
[例1]
I know a boy who lives in New York.(わたしはニューヨークに住んでいる男の子を知っています)
※先行詞a boyは,ニューヨークに住んでいるたくさんの男の子の中の1人です。
「唯一のもの/人」→ the
[例2]
This is the letter that Ken wrote yesterday.(これはケンが昨日書いた手紙です)
※先行詞letterは,昨日ケンが書いた手紙で,1つしかありません。
■ステップ2:先行詞が話し手と聞き手の間で「特定できる」か?
[例3] I know the boy who lives in New York.
(わたしはニューヨークに住んでいるその男の子を知っています)
※例1と同じ文ですが,先行詞の冠詞がtheになっています。一般的な文は例1のようにa boyとなりますが,話し手と聞き手の間でその男の子が「特定できる」場合(すでに話題に出ているなど),例3のように冠詞はtheになります。
次の2つの文でも確認してみましょう。
1. Mr.Brown bought a car which was made in Japan.(ブラウン氏は日本でつくられた車を買いました)
「日本でつくられた車」と特定しているようにも思えますが,「日本でつくられた車」はたくさんあります。つまり,この文の先行詞carは「多数ある中の1つ/1人」です。よってaがつきます。
2. This is the picture which Keiko painted.(これはケイコがかいた絵です)
先行詞pictureは多数ある絵とは違い,ケイコがかいた「唯一の」または「特定できる」絵です。よってtheがつきます。