連体修飾語は「文の成分」を表す用語,連体詞は「品詞」の名前です。
問題を解く際には「文の成分」を聞かれているのか,「品詞」を聞かれているのかで答えるものが違うということをまず押さえてください。
■「文の成分」というのは「文の中でどのような働きをしているのか」ということで,主語・述語・修飾語・接続語・独立語の5つの成分に分かれます。
修飾語のうち,体言(名詞)を修飾している語のことを「連体修飾語」といいます。
■「品詞」とは「単語の種類」のことです。
たとえば,名詞・動詞・形容詞・形容動詞・副詞・連体詞・助詞などがこれにあたります。
「連体詞」は,この品詞の中の1つの種類です。
以上のことから考えると,多くの場合は「連体修飾語=連体詞」であると考えられますが,そうでない場合もあります。
[例] ・大きな声で話す。
→「大きな」は「声」を修飾するので文の成分としては「連体修飾語」。「大きな」は連体詞。
・好きな歌は何ですか。
→「好きな」は「歌」を修飾するので文の成分としては「連体修飾語」。「好きな」は形容動詞「好きだ」の連体形。
つまり,連体詞であれば必ず連体修飾語ですが,連体修飾語は連体詞とは限らないということになります。